今最も研究が盛んに行われているALSを知ろう【原因・症状】

ALSの原因や症状を知って、ALSについて詳しくなりましょう。ALSに苦しんでいる人は、世界中で12万人いると言われています。私たちにとってはあまり聞きなじみのない病気かもしれませんが、近年研究が盛んに進められています。

als

 

ALS(筋萎縮性側索硬化症)をあなたは知っていますか?

ALSと聞いて、あなたは何の病気かすぐに分かりますか?ぱっと思いつく方は少ないでしょう。ALSとは、脳や末梢神経からの命令を筋肉に伝える運動ニューロンが侵される病です。

運動ニューロンが侵されると、手足、喉、舌など身体中の筋肉や、呼吸に必要な筋肉が徐々に痩せていき、力がなくなっていきます。そのとき、身体の感覚や知能、視力、聴力、内蔵機能は健全なままです。有効な治療法はまだ発見されていない難病で、世界中の12万人、国内でも9千人がALSで苦しんでいます。発症してからの平均寿命は3~5年です。

 

世界中で流行ったアイスバケツチャレンジ

一時期、アイスバケツチャレンジというものがニュースなどでも取り上げられていました。アイスバケツチャレンジとは、ALS啓発活動の一つです。オバマ大統領やケネディ一家など、著名な方々も参加しました。

ルールは、①指名されたら、バケツ一杯の氷水を頭からかぶるか、ALS団体に寄付をする。②友達を3人指名してチャレンジを促す。といったものです。氷水をかぶるのは、目を覚ましてALSの現状を知ろうというメッセージが込められています。

 

ALSの症状

 

初期

手足の力が入りにくくなる

ALSの患者の75%に、この症状が初期症状として現れます。箸が持ちにくく感じたり、重いものを持てないといった症状や、手足の腫れ、筋肉の痛みや突っ張りなどの症状を自分で感じるようになります。

 

球麻痺

話しにくくなったり、食べ物が飲み込みにくくなることを球麻痺と言います。25%の患者が初期症状として球麻痺が出現し、次のような症状が現れます。

 

【コミュニケーション障害】

舌の動きが思いどおりにならず、言葉が不明瞭になります。特に、「らりるれろ」「ぱぴぷぺぽ」の発音がしにくくなります。

 

【嚥下障害】

舌や喉の筋肉が弱くなってしまうため、食べ物や唾液が飲み込みにくくなります。むせることも多くなります。

 

症状が進むと

運動、コミュニケーション、嚥下、呼吸の4つすべての症状が現れるようになります。たとえば、運動障害が最初に現れた患者の場合は、次第に手足がやせて力が入らなくなっていき、歩いたり動いたりすることが困難になっていきます。さらに症状が進むと、食べ物を飲み込んだり、言葉を発することが難しくなっていきます。食べ物が飲み込みにくくなると、チューブで栄養をとる場合もあります。だんだんと全身の筋肉の力が弱くなり、自力では起き上がれなくなってしまいます。

また、呼吸障害も出てきます。夜あまり眠れなくなったり、頭が重いと感じるのは呼吸を行う筋肉が衰えているサインです。症状が進むと、仰向けでは眠れなくなったりします。さらに症状が進むと、自力では呼吸がうまくできなくなり、人工呼吸器を使わないといけなくなります。

 

ALSの初期症状チェックリスト

以下の症状に当てはまるか、チェックしてみましょう。

  • 足、腕、手が痺れる
  • 腕が上がりにくい
  • 足がよくつる
  • 就寝時、息苦しさを感じる
  • 少しの運動で疲れやすい
  • 転びやすい
  • 手で物をつかみにくい

当てはまる症状があったら、一度神経内科を受診することをおすすめします。

 

ALSの原因

ALSの原因はまだ分かっていませんが、神経の老化と関連があると言われています。また、グルタミン過剰説や環境説など、さまざまな学説があります。

 

1. グルタミン酸過剰説

身体のどこかを動かしなさいという命令は、脳から発信され、運動ニューロンを通して筋肉に伝えられます。ニューロンは、神経細胞体、神経細胞体から木の枝のように多数突き出している樹状突起、1個の神経細胞体から1本だけ伸びている軸索からできています。

軸索の端と隣の神経細胞の間には、シナプスと呼ばれるわずかな隙間があります。脳や末梢神経からの指令は、シナプスを介してニューロンが受け取ります。そして、電気信号として軸索に伝えます。

その電気信号は、またシナプスを介して次のニューロンに伝わっていきます。

このとき、軸の末端からグルタミン酸などが含まれた神経伝達物質という物質を出して、次のニューロンが受け取り、それが電気信号に変わっていくのです。

しかし、ALS患者の運動ニューロンは、シナプスから放出されるグルタミン酸(興奮性アミノ酸)を再度取り込む機能が阻害されます。そのため、神経細胞の外にあるグルタミン酸が過剰になり、神経細胞が死んでしまうのではないかと言われています。

 

2. 環境説

紀伊半島などで、ALSを発症する患者が他の地域より多く発生しました。そのため、環境の中にある何らかの要因が関係しているのではないかという説があります。

 

3. 神経栄養因子欠乏説

神経を成長させたり、傷ついた細胞を復活させたりするのに必要な栄養が少なくなることによって、運動ニューロンが壊されるのではないかと言われています。

 

4. 家族性/遺伝性説

ALSは90~95%が遺伝と関係なく発生します。家族性のALSは5%から10%です。家族性の一部に、活性酸素を分解する酵素を作る遺伝子の突然変異が見つかりました。なので、それが運動ニューロンが死んでしまう原因の一部ではないかという説があります。

 

まとめ

ALSの症状は、箸が持ちにくいなど小さな症状から始まることが多いです。その症状を見逃さないようにし、当てはまる症状があったら病院へ行くことをおすすめします。

原因については不明な点も多いですが、研究も進み、さまざまな説が考えられています。早く有効な治療法が確立され、ALSで苦しむ患者が減るといいですね。日頃から自分の体調をセルフチェックすることが大切です。

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